運動指導の際、「口頭だけではクライエントに上手くお伝えしづらいし、
かといってイラストを自作する時間もないし……」と思ったことはありませんか?
本日は、そんなお悩みを解決するツール
「運動療法カードBOOK」の活用実例をご紹介いたします!
「自宅でできる!運動療法カードBOOK 」紹介ページ
https://www.gene-books.jp/SHOP/M-0014-URCB.html
2月15日に発売しました本カード集。
ご使用いただいた方より早くも活用例をお伺いいたしましたので、ご紹介させていただきます。
ぜひ、皆様がご担当されているクライアント様への指導の参考としてご活用ください!
《 運動療法カードBOOK 使用例1 》========================
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【疾患名】
脳梗塞後遺症、高血圧、心不全、2型糖尿病
【状態】
屋内伝い歩きで移動し、ADL自立(短距離は独歩可能)
屋外1本杖歩行や手すり使用での階段昇降は見守りで可能
両側変形性膝関節症(以下.両膝OA)があり、2週間毎ヒアルロン酸注射実施(膝の痛みは自制内)
訪問看護のみ利用(リハ・看護:週1回)
【環境】
市営住宅2Fに独居。息子3人とも市内在住で、毎日電話・週1回程度様子を見に来ている(買い物も家族様と実施)
階段に手すりあり、自宅内手すりなし
カード17(座って足踏み)、カード18(立ち座り)実施(各10回)
【考察】
下肢・体幹の筋力低下や両膝OA、動作方法の未定着が主要因として、
①立ち上がりは後方重心で、椅子への着座動作も勢いよく行ってしまうことがある
②自宅内独歩・伝い歩きは体幹動揺やふらつきがある
③手すりを使用した階段昇降(特に昇段)時、右下肢の支持性低下による膝折れのリスクがある
等の症状が出現していると考える。
膝関節への負担を考慮しつつ、それらの症状を改善するため運動選択実施。
【使用方法】
カードを拡大コピーし、椅子前の壁に掲示し見ながら行うことができる環境を設定。
カードに注意点や回数を端的に・大きく・赤字で記載。
【結果】
注意点や回数を端的に・大きく・赤字で記載し見えるところに掲示したことで自主トレとして継続して行うこと可能。
注意点は訪問毎確認し繰り返し相談することで徐々に定着しつつある。症状として以前よりゆっくり着座することが
出来る頻度が増加している。膝関節周囲の痛みの増悪はみられず。
《 運動療法カードBOOK 使用例2 》========================
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【疾患名】
右大腿骨顆上骨折術後(4年前)、多発性筋炎(40代~)
【状態】
60代後半の女性。要支援1
筋疲労を生じやすいため、活動量に留意しつつ生活送っている
夫経営の喫茶店(近所)でお客さんやスタッフの方とお話されるのを日課とされている
簡単な家事(料理、掃除、洗濯)はご自身でされている
【提案までの経過】
・X-1日:敷布団を干す際に背部痛を生じる。
・X日 :背部痛自体は昨日よりも軽減している。しかし、寝転び動作や左上肢挙上時、同部位に再現性のある疼痛あり。
※X日をカードブック活用日としている。
これを踏まえ、以下の提案をする。
【提案】
①家事を一時的に家族様へ実施していただく。
②カードブックを活用し、自主練習をしていただく。
【環境】
夫、息子夫婦、孫2人の5人暮らし。
平日に関して、主に喫茶店へ行く以外は居室(兼寝室)で過ごす。
【考察】上記の様子をどう考察して、その運動を選択したか
・負荷量(多発性筋炎のため)および疼痛を考慮し、軽負荷かつご自分で調整しやすい項目の下記運動を選択した。
【運動】
カード25(足上げ止め)、カード26(膝伸ばし止め)、カード33(横倒し)、カード34(背中ひねり)
・目的としては、
①今後の敷布団干しへの対応としての筋力強化(体幹、下肢―体幹)
②家事を家族様へ任せるため(活動量減少)、活動量の確保のための運動として。
【結果】
・本症例では、方法によっては背部痛を惹起しやかった。そこで、おおまかにはカードブックで、
細かくは訪問時の練習のなかで、疼痛が生じない方法を模索した。
・自主練習は毎日ではないが、少しずつ実施いただけたようであった。
・X+7日には背部痛は消失した。今後は、上肢―体幹の筋力強化を加えることを検討している。
《 運動療法カードBOOK 使用例3 》========================
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【疾患名】
パーキンソン病
【状態】
パーキンソン症状は脳深部刺激療法によりなし。右凸の側弯著名であり、上肢を利用しなければ体幹の伸展は不可。
日常生活は自立、屋内の移動は独歩家事・運転もされている。主な訴えは腰部、両大腿の痛み。
【運動】
カード30(足で名前を書く)、カード34(背中ひねり)、カード42(自転車こぎ)、カード47(骨盤前後運動)
【運動療法カードの選定理由】
以前から自主練習はされていたが自己で考案したものあり統一したものがなかった。
練習もその時に気が向いたものをチョイスしているので今回の運動療法カードで療法士と自主練習を確認する機会を作りたかった。
内容は体幹が側弯により変形が強度のため悪化防止を目的に骨盤の前後傾運動、回旋運動を提案。
また下肢筋力の低下がさらなる腰部・大腿の悪化につながるため下肢の筋力強化を提案。自立された方ではあるので負荷量は強めに設定。
【運動療法カード提案後】
訪問時に自主練習の様子を気軽に聞くことができ、なおかつ訪問中に一緒に確認する機会を持つことができた。
また利用者様も毎朝やっていただけており同じメニューを毎日実施することができている。
《 運動療法カードBOOK 使用例4 》========================
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【疾患名】
心房細動・僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症・右肩関節腱板断裂
【状態】
80代前半 要支援2
心臓疾患あり、手術もされているが、胸部症状はなし。
犬を飼っており、以前犬を踏みそうになって避ける際に転倒し腱板断裂した。
天気のいい日は毎日散歩に行っている。
自宅内は独歩、屋外は歩行器使用。買い物の際はスーパーの入り口まで歩行器で中ではカートを歩行器代わりに使っている。
日常生活ではなるべく右手を使わないようにしているが元々右利きであり無意識で右手を使っている。
時折下腿の倦怠感や攣るといった訴えがある。
日中はコタツに座りTVを見ている事が多い。
【環境】
旦那様と二人暮らし(犬が1匹)
家事はほとんど本人様が行っている。
【提案理由】
腱板断裂により右肩のスムーズな挙上が困難となり、僧帽筋や菱形筋など頸部から肩甲骨周囲筋の筋緊張亢進がみられている。
頸部や肩甲骨周囲筋の柔軟性や関節可動域を維持するためカードブックを活用し自主練習を提案。
【運動】
カード1(肩の上げ下げ)、カード6(肩甲骨の引き寄せ)、カード7(肘のばし)、28(つま先立ち)
【考察】
心疾患もあるため低負荷の運動を選択
・目的としては僧帽筋や菱形筋に対する柔軟性の向上や筋緊張を軽減するため
・下腿の倦怠感や攣ることに対して下腿の筋力強化及び血流の改善のため
※どのように使用し、どのような結果になったか
カードブックをコピーに自宅の壁に貼らせてもらった。
訪問時にカードブックの正しい方法を本人様と一緒に行い、次回訪問時にも正しく行えているか確認しながら実施。
今までも自主練習の提案は行ってきたが継続して行えていない状態だったが、
カードブック使用後はやり方が分かりやすく簡単な運動のためほぼ毎日行っていただけている。
提案後2週間で頸部の訴えは軽減。
下腿の倦怠感についてはまだ改善は見られていない。
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「自宅でできる!運動療法カードBOOK 」紹介ページ
https://www.gene-books.jp/SHOP/M-0014-URCB.html
今後も「こう使ってみた!」「この人には、この組み合わせにした!」など、
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株式会社gene 出版チーム 直江(E-mail: publisher@gene-llc.jp)
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