第1回 後編:手塚先生が考える、脳画像を見てリハビリテーションを行うということ【医療法人社団 新東京石心会 さいわい鶴見病院 リハビリテーション科 科長・理学療法士 手塚 純一 先生編】

――脳画像を見るのが得意でないというセラピストの方も多いですが、現状について先生の所感をお聞かせ下さい。

脳画像はたくさん見た方がいいと思います。

脳画像は、脳卒中のリハビリテーションの地図のようなものなので、脳画像を見ずにリハビリテーションするというのは、地図がないままに山を登るみたいなものなんですよ。見ないというのは心配で仕方がないです。脳画像を見ることによって脳の状態を把握して、「どのぐらい登れば、リハビリテーションを行えば、目的地にたどり着けるのか」理解する。そうして初めて、安心かつ落ち着いたリハビリテーションができると思うんです。患者さんは五里霧中でリハビリテーションという山をいくわけですから、我々が地図を持ち、患者さんを導かなければならない。

そのためには、画像を「たくさん見る」ことが必要になりますね。

こういった知識のほかに、先生がご講義で受講者の方にお伝えしたい内容はございますか。今回の講義のテーマ「脳画像」以外で、気持ちの面のお話などございましたら是非。

そうですね。受講者の方に伝えたいことは、しっかり根拠を持って患者さんに説明できるようになろうということですね。

できるようになるということも、できないですよということも、しっかりと根拠を持って言わないと無責任だと思うんですよ。その一言で患者さんの人生を決めてしまいますから。

単なる思い付きだけではなく、根拠を持って行うことで、患者さんも一緒にリハビリテーションに取り組んでくれるのだと思います。

なるほど。それでは最後の質問となりますが、脳画像の活用に際してセラピストに求められることとはどのようなものでしょうか。

まず、ほかの疾患でも一緒ですが、脳のことを理解するには、脳の解剖や、基礎的な部分から知っておかなければならないですね。そして画像を生かすためには、脳の機能解剖、脳の生理学、脳の修理過程といった知識をきちんと身につけておくことが必要だと思います。

最後に、私がセミナーを行うにあたって常に考えていることを、お伝えします。

(了)


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