アンガーマネジメントを考えるうえで、最初に取りかかりたいのは「怒り」という感情はいったいどのようなことなのか? という点の理解です。
この画像が示しているのは、怒りという感情のとらえ方です。
怒りというつかみどころのないものを全体像としてとらえます。
その時に怒りの原因となっている本当に避けなければならない事象と避けなくてもその時に対応できるものなどを類別します。
そうしないと別に怒りの原因として避けなくても問題がないものまでに過剰に対応してしまい、怒りの感情をコントロ-ルできなくなるのです。
例えば「明日は天気が悪いよ」と言われた時に、気象現象としてそれが曇りなのか小雨なのか、また雷雨なのか嵐なのかがはっきりとはつかめず、その方がイメ-ジをした内容により対応が変わってくるということです。
それと同じように、一見するとつかみどころのないものであっても、色を分けたり形をわけたりとその要素を分類することによって、内容構成を理解することができるようになりそれに対する適切な対応も可能になるのです。
では怒りという感情の理解について、4つのキーワードとともに理解を深めて行きましょう。
1 怒りというのは悪ではない
「怒ることは、いけないことだ」と私たちは教育の面でも文化的にも教えられ強制されてきた面があります。子供の頃から「怒っちゃだめだよ」と教えられ刷り込まれてきました。
しかし人間という生物から「怒り」という感情を排除することは、ほぼ不可能なのです。本当に問題となるのは、怒るという感情を表現することではなく、怒りの内容を正確に相手に伝えるという方法なのです。
ですから私たちは怒っていいのです。
ただなぜ怒っているのかを相手にうまく伝える練習をして来なかっただけなのです。
またアンガーマネジメントでは、今怒っていることは本当に怒る必要のあることなのかを考えるという視点も大切にしています。怒りというものに振り回されてる方(自分もそうですが)は、本来怒る必要のないことにまで怒ってしまうということがあります。
それは、ファスト&スローのシステム1とシステム2のようなものです。
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※システム1とシステム2の説明
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現実には、本当に怒る必要のないことがたくさんあることに気づいてください。
しかし最後に言っておきたいのは、怒る必要のあることには本気で怒ってよいのだということです。
2 怒りがもたらすものとは
ある時、いわゆる「逆切れ」をしている者がいました。
理由は「目覚ましが鳴らなかったせいで遅刻した」というものです。
短期的に怒りにまかせた感情から切り抜けたように見えることがあるかもしれませんが、結果的にみると何も変わっていないということです。
そしてそれだけでなく、自分自身の成長の機会まで怒りの感情をコントロ-ルできずに奪ってしまうということもあるのです。
(次回に続く)
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