今回が、第146回「介護給付費分科会」考察の最終回となります。
最後にとりあげるのは訪問リハビリテーションについてです。
資料には「一方で、医師の指示がより詳細な場合、簡素な指示に比べてADLに有意な改善が見られるなど、医師の関与についての重要性は認められるところである」とありますが、これはそうかもしれないし、そうでないかもしれないというレベルの曖昧なデータだと思われます。
(画像引用:厚生労働省 第146回社会保障審議会介護給付費分科会資料)
大切なことは「このデータを採用した意図」です。私たち臨床家の周りには沢山の事実があり、「自分たちの都合良い真実」を選択しています。
では、このデータを採用した意図はなんなのか?
――今後の予算配分に関して某方の大きな意志が働いたものかと思われますが、私もひとつしかない命が惜しいのでこの件に関してはここまでとしておきます。
次の資料についてですが、この社会参加支援というものを考える時に難しく、そして何より大切なのは「参加とはなにか」と「自立とはなにか」という定義を行うことです。
(画像引用:厚生労働省 第146回社会保障審議会介護給付費分科会資料)
社会参加支援の算定は訪問看護ステーションでも切実に欲しいところですね。
点数が欲しいのではなく、ある程度活動的なクライエントを担当するときに、居宅での提供は非常に大きな足かせとなるからです。そういった面では、訪問リハ事業所は羨ましいと感じます。
一番大切なことは、終了に関する明確な哲学をその事業体が持てるか否かでしょう。 そもそも法律の強力な誘導が無い限りは、リハビリテーションに関する専門職の関わりを制限するのは難しいからです。 少し厳しい言い方をすると、リハビリテーションに関する専門職の関わりは「心の安定を獲得する儀式としての側面」があると私は感じています。
法的な制限により、新しい考え方を導入する必要があるでしょう。
(画像引用:厚生労働省 第146回社会保障審議会介護給付費分科会資料)
日本訪問リハビリテーション協会の研修会には、素晴らしいものが沢山あります。
弊社スタッフに対しても、日本訪問リハビリテーション協会主催の研修会に関しては、ほぼ無条件で参加費用を出しています。それほど現場のニーズに沿った、理想を追求している研修会なのです。
訪問リハ学会に参加したことのない方はぜひ、一度足を運んでみて下さい。
学会は数多くあれど、訪問リハ学会にはなぜか不思議なほど温かみがあります。
データはそろってないし、発表もたどたどしいけれど、「その人がどう利用者さんと関わって、その利用者さんがどんな顔をしているのか」がしっかりと見える発表だからでしょう。小奇麗にまとまった発表でも、利用者さんの顔が見えない研修会がある中で、とても身になる内容を伝えてくれます。
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